ビール業界のお仕事:
ホップ農家編


ホップはアサ科・カラハナソウ属に分類されるツル性の多年草で、年間で8~9mまで長くツルを伸ばして7〜9月頃に花を咲かせます。雌雄異株で、線香花火のような花を咲かせた後、雌花は松ぼっくりのような形(毬花)に変化します。これがビールの苦味や香りの原料となります。その他には余分な蛋白質を沈殿させてビールの濁りを取り除く作用もあります。授粉してしまうと味が落ちてしまうことから、栽培農家では雄株はほとんど栽培していません。
ホップ農家は夏場に向けた栽培と夏頃の収穫が主な仕事です。栽培は春に苗植えを行い、伸びてきた蔓を支柱に誘引・剪定をして、熟す前に鞠花を摘み取るのが大まかな流れです。それ以外の時期では、収穫後に枯れた地上部の蔓にも適度に水やりを続けることで、来春の新芽が生えてくる準備をします。土の中には根だけが残った状態で冬を越します。春先に根が広域に広がっている場合は、株分けを行います。土へ肥料を蒔き、再び芽が出てくるよう育てます。
また、ホップは地中から伸びてくる植物のため、土壌づくりも欠かせません。水はけのよいアルカリ性の土をホップは好みます。良い土壌は品質のいいホップを収穫するために重要なお仕事です。
その他には、ホップを販売するための販路の確立や販売システムが無ければ、システムづくりも必要です。農業業務以外にも営業やパソコン作業といったスキルも求めらます。将来的には新種の開発も業務内容に入ってくるでしょう。